ライフデザインと支援シート

2015年12月19日
教員養成大学の学生のための医教連携による「発達障害児者の医療」フォーラムを開催

教員養成大学の学生のための「卒業前・修了前教育としての発達障害に関する専門性向上研修会」

12月19日(土)13:00~17:00愛知教育大学・本部棟・3階・第5会議室にて、平成27年度文部科学省委託事業「発達障害に関する教職員育成プログラム開発事業」の一環で「教員養成大学の学生のための医教連携による『発達障害児者の医療』フォーラム」が開催されました。

現在、小中学校・高校では、通常の学級で学ぶ発達障害児の指導・支援の在り方が検討され、すべての教員が特別支援教育に関する一定の知識・技能を習得することが求められています。教員が学ぶべき領域は、特別支援教育に係わる教育学や心理学の他、医学の知識も必要不可欠です。すべての教員が発達障害に関する専門的・実践的な知識を有する教職員を育成するプログラムを開発するために、平成27年3月に藤田保健衛生大学と本学が協定を結び、連携して共同研究を進めております。

 


 

今回のフォーラムでは、本学の学生を対象として、藤田保健衛生大学の医師・臨床心理士の3名の講師から、発達障害児者の診療の実際、幼少期から青年期・成人期の問題、服薬の効果と管理の在り方、医師・臨床心理士が学校の先生に求めたいこと等の話題提供をいただきました。

 

藤田保健衛生大学病院・小児科・医師の石原尚子先生には、「小児科外来における発達障害児の診療の実際」というテーマで、小児科外来での発達障害児の診療の実際について、概要を説明された他、病院の医師と子ども・保護者との係わり、学校との連携の在り方に関する提言をいただきました。

 

同病院・精神科・医師の江崎幸生先生には、「思春期・青年期の発達障害者の医療」というテーマで、 精神科での発達障害のある青年の診療の実際について、概要を説明された他、病院の医師と当事者と家族との係わり、そして、学校・社会との連携の在り方に関する提言をいただきました。

 


 

同病院・精神科・臨床心理士北島智子先生には、「発達障害者に対する心理臨床」というテーマで、精神科での診療を受診しながら、臨床心理士によるカウンセリングを受ける発達障害のある青年を事例に取り上げ、医療機関における心理臨床の実際に関する報告をいただきました。

 

先生方のご報告を踏まえ、会場からの質問を受け、先生方からのご回答をいただきました。本研修会では、将来、教員を目指す学生と講師との熱心な意見交換が重ねられ、発達障害児や障害が疑われる子どもの幼少期から青年期までを通して、一貫した指導支援の重要性を再認識する機会となりました。

今回の研修を踏まえて、次年度以降も、藤田保健衛生大学との連携を深めつつ、今後は発達障害児の事例検討を中心とした、より実践的な研修会の開催を模索していきたいと考えております。


 


(報告:愛知教育大学障害児教育講座 准教授 岩田吉生)