ライフデザインと支援シート

2015年12月5日
教員養成大学の学生のための「卒業前・修了前教育としての発達障害に関する専門性向上研修会」を開催

教員養成大学の学生のための「卒業前・修了前教育としての発達障害に関する専門性向上研修会」

12月5日(土)13:30~17:00、愛知教育大学・本部棟3階・第一会議室にて、平成27年度文部科学省委託事業「発達障害に関する教職員育成プログラム開発事業」の一環で、教員養成大学の学生のための「卒業前・修了前教育としての発達障害に関する専門性向上研修会」が開催されました。

現在、小中学校・高校では、通常の学級で学ぶ発達障害児の指導・支援の在り方が検討され、すべての教員が特別支援教育に関する一定の知識・技能を習得することが求められています。しかしながら、愛知教育大学の教育養成課程に関わるカリキュラムでは、特別支援教育の講義が必修化されておらず、教職科目の一部で取り扱われる他、E選の選択科目として開講されているのみの現状が続いております。そこで、来春3月に本学を卒業または修了する学生を対象として、発達障害に関する専門性を目指した研修会を開催しました。今回の研修会では、発達障害の概要を学ぶだけでなく、現職の先生方を講師にお招きし、通常の学級での授業作りや教室の環境設備、現職教員の教育実践等、4月からの教育実践に役立つ知識を提供する研修会を開催することとしました。

プログラムの内容は以下の通りでした。

 

愛知県総合教育センター・相談部・部長の神田正美先生からは、「小中学校のユニバーサルデザインを目指した学級作り」というテーマで、小中学校の通常の学級に在籍する障害のある子どもの実態や様々な問題行動の概要と、これらの課題に対して教員がどのように対応し、学級経営や授業作りを行っているかについて、お話をいただきました。

 

愛知教育大学 障害児教育講座 准教授の岩田吉生先生には、「発達障害児の疑似体験」のワークショップを実施していただきました。学生の皆さんに、発達障害児の聞き取りにくい、読みにくい、見えにくい等の体験を通して、指導・支援する際のヒントをお話いただきました。

 


 

豊田市立東山小学校・教諭の川嵜真帆先生、東郷町立東郷中学校・教諭の紺田直子先生、名古屋市立長良中学校・教諭の小林大輔先生の3名の先生方からは、「小中学校の教員からのアドバイス-通常の学級に在籍する発達障害児の支援と、特別支援学級の児童生徒との交流のヒント-」というテーマで、お話をいただきました。小中学校の先生方からは、発達障害児の将来を見通した上での指導・支援の在り方、様々な問題のある子どもを指導する教員としての心構え、子どもの問題場面を想定した上での対処法を皆で話し合う時間を設ける等、実践的な内容のお話をいただきました。

 

当日の参加者は約70名で、学生たちは教育現場で子どもたちを指導する先生方の話にメモを取りながら熱心に耳を傾けていました。学生たちが今回の研修会で学んだことを、来春からの教員生活の中で活かしていくことを強く期待しております。

 


 


(報告:愛知教育大学障害児教育講座 准教授 岩田吉生)